セカンドオピニオンを受ける
手術する気満々で張り切っていた私に父から「いろいろ考えましたがお父さんは手術に反対です」というメールが届き、うんざりした気持ちになった。
父は結構面倒な人で、仕事も整体師をしているので体のことに口を出してくる。
「首なんて大切なところに簡単にメスを入れてはいけない」
「切った後が引き攣れて苦しんでいる人を大勢知っている」とうるさい。
最初から手術にいい顔はしていなかったけど、診断が出てから必ず週に一回は父に手当てをしてもらい、それでも腫瘍が小さくならなければ手術してもいいと言っていたのに、ギリギリになってから「やっぱり反対だ」と言い出す。
「頼むから他の病院でセカンドオピニオンを取ってほしい。そこでも手術を勧められたら諦める」と。父が認めてくれなくたって手術は受けるつもりだけど、後でもめるのも面倒なので上野にある甲状腺の病院に電話をして事情を話し、セカンドオピニオンを出してもらえることになった。主治医の先生にも相談した。
仕事を休んで上野の病院に行くも、やはり「このサイズだったら僕も手術をお勧めしますね」とのことでほっとした。
父はなぜだか「えー、ほんとにセカンドオピニオンもらいに行ったの?偉いじゃん。絶対行かないと思った」と感心し、ようやく認めてくれた。これで心置きなく手術を受けることができる。
心配してくれる親心はありがたいけど時には困るものである。